プラチナ社会研究会 新産業は、人が輝く暮らしから

プラチナシティ (2009/10/01)

 

理事長 小宮山宏

私は、地球環境問題を解決し、高齢者が元気に活動できる社会をプラチナ社会と呼ぶことを提案しています。プラチナ社会に最適なインフラを備えた街がプラチナシティと言うことになります。スマートな投資を行うためには、各地のプラチナシティをネットワーク化して知を共有することが重要です。

プラチナシティ・ネットワークとは何か。まだできあがっていないものを提案し、ひとに説明することはとても難しいことです。だからこそ、要素技術をシステム化する社会実験の場が必要なのです。超高齢社会に対応した要素技術を統合し実証できるプラットホームを作り、情報を提供するネットワーク「プラチナシティ・ネットワーク」が必要なのです。米国の社会は、全て実験場みたいなところがあります。米国は、「YouTube」をやってしまう勇気のあるひとがいて、それが認められる社会なのです。これに対して、日本は実験しない社会ですから、その中でどのように進めていくかが問題です。

日本は超高齢社会に必要な要素技術をたくさん持っています。大規模で統合的な社会実験を実施し、それを再利用しやすい形に分解して検証すれば、いろいろなことができると思うのです。例えば血圧計という形まで分解していけば、単位知識になります。そこで、みんなが知識を共有できるような情報基盤が必要なのです。

中立的なシンクタンクが要素技術やデータを統合し、トータルなものとして提供していくことが重要だと思います。例えば、福井県が東京大学高齢社会総合研究機構と協力して、医療、介護、特定検診の3種類のデータをつなぎ合わせて分析する取り組みを行っているそうです。データがあれば社会実験を行うことができるので、大変画期的な取り組みであると思います。このような社会実験から得られる知見をデータベース化し社会で共有することが重要なのです。様々なデータの共有によりプラチナシティ構築のための最適なストラテジーが明確になるとともに、得られたシステムをパッケージ化して、モデル化することも可能となるでしょう。

課題先進国日本が抱える超高齢社会という問題と地球環境問題を同時に解決するため、介護・医療分野から環境・エネルギー分野まで様々な分野が融合して、大規模社会実験(プラチナシティの実現)を行うことは、世界に21世紀の社会像を提示することになるのです。今は低炭素というだけで断熱窓を進めていますが、断熱窓が普及すればお風呂場で倒れる高齢者が減るでしょう。そうすると介護の必要な老人が減ると思うのです。断熱窓で、健康寿命を延ばすことができるのです。このように、超高齢社会の問題と環境問題は同時に解決していくことが必要なのです。

株式会社三菱総合研究所理事長 小宮山宏

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