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先端技術は結婚詐欺からあなたを護れるか?

 
情報技術 2013年4月16日

科学・安全政策研究本部
科学技術研究グループリーダー
亀井信一

 最近、何かと「結婚詐欺」が話題になっている。近年の結婚詐欺事案を見ると、大きな特徴がある。それは、婚活サイトなどのネットを利用していつ点である。気軽さや出会い数の数などから、結婚の出会いのためのサイトは数多く存在するもののそれが犯罪の温床になっているとしたら由々しきことである。結婚活動サイトの利用者は、男女とも30台が多くを占め結婚に焦りを感じるケースが多いといわれ、詐欺のターゲットになりやすいことは事実であろう。

 入会時の本人確認はもちろんのこと、相手をよく「視る」必要がある。ビジネスなどではじめて人に会う場合には、ネット検索などでその人を予め調べることは常識であろう。その人の人となりや主義主張、趣味までわかる場合もある。無数の情報を一気に検索できることは、先端技術が生んだ現代ネット社会のメリットである。少なくとも本名を名乗っていれば、その人に関して何らかの情報を見出すことは困難ではない。素行調査は、探偵事務所の専売特許ではなくなりつつある。

 一方、最近の犯罪では、睡眠薬や睡眠導入剤もこの手の犯罪によく使われる。本当に心を許すまでは、多少なりとも、悲しいことではあるが、疑って掛かることが必要な時代になってしまった。これに対しては、分子マーカーが有効かもしれない。特定の薬品を検知するマーカーをコップ内に設置しておき、薬剤が投入された際には、すぐにわかるようにすることが出来る。そんなカップを持ち歩く時代かもしれない。

 また、脳型デバイスの研究も盛んになってきた。ひところ話題になった脳内メーカーを地で行くように脳内を可視化できるようになっている。不心得な心が事前に検知できれば、結婚詐欺の防止に役立つかもしれない。ただし、双方確かめましょうということになれば、こちらの気持ちがわかることも覚悟しなければならない。

 犯罪の抑止や防止には、ナノテクやバイオ、さらにはこれらと組み合わせた情報技術などが大いに役立ちそうである。ただし、このような先端技術の応用は決していいものだとは思えない。己の心眼を磨くことが一番であることに変わりはない。

株式会社三菱総合研究所理事長 小宮山宏

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