地中温暖化ガス削減の2020年の中間目標(2005年比-15%)、2050年目標(地球全体で半減、先進国は80%削減)の達成には、大量の自然エネルギーの利用、車の石油から電気への転換が不可避である。
日本の電力網は高い信頼性を有しているが、低炭素社会で想定される大量の太陽光発電、電気自動車、蓄電装置がネットワークに連携するという状況には対応しておらず、グレードアップが必要である。次世代電力網としてスマートグリッドが注目されているが、送電網のグレードアップと同時に、次の2つの点を実現することが重要である。第一に、インフラ整備を通じて、また新しいインフラを活用することによって新産業を創造すること。第二に、次世代の電力網を日本だけの特殊なものとするのではなく、世界中に展開することを念頭に置き、輸出産業として育成すること。これらの点を踏まえ、特に情報分野で新産業の創造、昇圧化を含む世界標準化、PVやバッテリーの大量廃棄に対応したリサイクルシステムの確立を骨子とした構想を提案する。
Copyright © 2009-2021 Mitsubishi Research Institute, Inc.