エネルギー、交通、住宅等、社会システムを提供する技術は、多様かつ多数の技術と人で構成される巨大システムである。
日本の製造業の品質管理は規格品の大量生産型消費財では有効な手法であるが、大規模な社会システムでは、個別の品質管理の積み上げでは不十分である。システム全体の安全性、信頼性、利用可能性、保守性を評価し、最適設計に結び付ける「システム・アシュアランス」という概念と手法が必要である。
システム・アシュアランスは、大規模システムの品質向上とコスト削減に有効であるだけでなく、社会システム産業を国際競争力のある産業としていくためにも重要である。例えば、鉄道分野ではRAMSとして国際規格化さされているが、こうした規格を持たない日本の鉄道産業は輸出のハンデとなっている。
ここでは、今後の成長が期待される社会システム産業の強化を目的とし、システム・アシュアランス手法の導入、標準化、教育、人材育成等を提案する。
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