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より安く環境に優しい:サーバー仮想化のトレンド

 
情報技術 2011年8月23日

協力 Rapid Access International, Inc. 2009年8月
http://www.rapidaccess.com/

昨年来の(2008年から2009年にかけての)深刻な世界経済状況は、企業や諸官庁の予算や優先事項に直接的な影響をもたらしている。彼らの最大の関心事は経費削減の方法を模索することだ。サーバー仮想化は、こうした関心への部分的対応策として、加速度的に広まっているグリーンITマネジメントである。

Gartner, Inc.によると「2012年までにインフラやオペレーションを変える最大の影響力を持つ動きは仮想化となるだろう」(※1)

サーバー仮想化とは?

「仮想化」は、1台のサーバーをパーティションで区切り、あたかも複数のサーバーが動いているように見せるという簡単な概念を表す言葉としては多くのIT用語と同様、曖昧で分かりにくい。サーバーをパーティションで区切る第一の理由は、仮想専用サーバーまたは仮想マシンと呼ばれるサーバーセクション上でそれぞれに異なるオペレーティングシステムを同時かつ独立して動作させるためである。

サーバー仮想化の概念は特に新しいものではない。これまでもメインフレーム・コンピューターのパーティション化は、1つのオペレーティングシステムでメインフレームの冗長性実現や効率向上など、複数のインスタンスを実行するために行われてきた。何が新しいかと言えば、共通の業界標準サーバー上での仮想化を可能にしたソフトウェア/ハードウェアの飛躍的進歩であろう。

サーバー仮想化における主力企業の1つに、カリフォルニア州パロ・アルトにあるVMwareが挙げられる。VMwareはEMC Corporationが大株主になっている。

より安くて環境に優しく:Win-Winアプローチ

1台のサーバーで2台以上のサーバーの務めを果たすことができれば、大幅な費用節減になる。単に購入したり維持したりしなければならないサーバーの台数が少なくて済むからという理由だけでなく、全体的な電力消費の低減の結果、大幅な節約ができるのである。

ハードウェアが少なければ、電力や物理的なスペースなどサーバーインフラ関連のコスト削減につながる。仮想化によって、企業や官庁のサーバー台数を6分の1を越える割合で削減することは珍しいことではない。

グリーンITとしてサーバー仮想化は費用節減をもたらし、グリーンコンピューティング推進の今日の気運と相まって、特に広報ならびに政治的な観点の両方から受け入れられている。

IBMのConsultative Stotrage Optimization Servicesの前マネージャー、Shannon McGurk氏へのインタビューで同氏は、「データはコスト効率の良い方法で保管しなければならないため、ストレージ市場は全ての企業の成功に重要な意味を持つ。サーバー仮想化は、ストレージとサーバーの更なる効率的利用によって大幅な費用節減を実現する。より良いソフトウェアや技術進歩を活用し、サーバーをパーティション化することで、無駄を省いた、エネルギーやコスト効率の良い環境で運用することができる」と述べている。

ストレージ仮想化を可能にする「クラウドコンピューティング」

サーバー仮想化による電力消費の削減は、データ統合を可能にすることで更に強化される。一般的に、パーティション化した仮想マシンは、データを、個々のサーバーに接続したスタンドアローンのストレージデバイスではなく、共有ストレージデバイスおよびストレージエリアネットワーク(SAN)へのアクセスによって利用/管理する。

SANのソフトウェアならびにハードウェアのニーズを提供する企業のための事業社団体は、Storage Networking Industry Association (SNIA)である。会員企業のリストはSNIAのウェブサイトで入手できる:SNIA Member Directory(※2)

多数の企業が、コスト効率良くデータの管理・保管してくれるベンダーにデータストレージを外注し始めている。これは、データセキュリティの問題により、諸官庁ではさほど注目されてはいないが、この状況もいずれ変化しそうである。サービスプロバイダーがこうしたストレージシステムを諸官庁よりコスト効率の良い方法で提供し、セキュリティ確保も可能なことを示すことができれば、ストレージ機能の外注に関する激しい議論が起こることは疑う余地がないだろう。

このストレージ容量の提供(受け入れ)を「クラウドコンピューティング」と呼ぶ。

興味深いことに、余剰のストレージ容量を持つ諸官庁が実際にクラウドベンダーとして顧客へのサービスを行い、内部資源を利用し始めている。国防情報システム局のRapid Access Computing Environment (RACE). は、その一例である。

ITマネジメントのキートレンド

これからのITマネジメント分野のキートレンドは、以下の5点だ。

  • サーバーの仮想化
  • 資源効率の良いIT(グリーンIT / グリーンイニシアチブ)
  • 経費削減戦略
  • データ統合
  • クラウドコンピューティング

その他資料:

Gartner: 2009 Top 10 Strategic Technologies. http://www.cmswire.com/cms/enterprise-20/gartner-2009-top-10-strategic-t... (2009年8月3日現在)
Server Virtualization for Going Green 2008-2011. Infiniti Research Limited発行のレポート。発行日:2009年4月28日 – 21ページ。


(※1)2012年までにインフラとオペレーション市場で最大の影響力を持つ動きは仮想化であるとGartnerは述べている。原文: http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=638207 (2009年8月3日現在)

(※2)Storage Networking Industry Association (SNIA) 会員名簿 http://www.snia.org/member_com/member_directory/ (2009年8月3日現在)

株式会社三菱総合研究所理事長 小宮山宏

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