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【連載】『女性視点で考える次世代テレワーク(分科会報告)』

 

第1回 今どうしてテレワークなのか
 ~「女性視点で考える次世代テレワーク分科会」設置の背景~

女性視点で考える次世代テレワーク分科会 リーダー        
株式会社博報堂 PR戦略局統合プラニング2部 部長 宮川 尚子

2012年6月、プラチナ社会研究会の新しい分科会「女性視点で考える次世代テレワーク分科会」がスタートした。本研究会では発足以来、「環境」「高齢化」「雇用」という日本がこれから直面する大きな課題について、複合的な視点で解決策を見つけることをねらいに様々な分科会が置かれてきたが、「高齢化」「環境」が中心だったといえる。ここに、突然「女性」「テレワーク」といった言葉が入り込むこととなった。

テレワーク分科会なぜこの期に及んで「テレワーク」なのか?

ことの発端は、東日本大震災の被災地での仕事のミスマッチ・専門家不足にテレワークが機能する、特に建設業などに従事しにくい高齢者や女性の就業問題をテレワークで解決しようとするプログラムがある・・・という話を聞いたことである。

「テレワーク」自体は、決して新しい言葉ではない。すでに、テレワークについては、総務省、国土交通省、厚生労働省、経済産業省が様々な取り組みを長年行ってきている。インターネットの普及とモバイル端末の開発、クラウドなどIT技術の発達にともなってテレワークの可能性も広がってきている。にもかかわらず、「テレワーク」的な働き方について、社会的な注目度はそれほど高いとは思えない。

しかしながら、先述した被災地での試みは、「テレワーク」で社会的問題を解決する、というものであった。「テレワークにそんな可能性があったのか」と、あらためて気づかされたのである。

だとしたら、「テレワーク」は我々の抱えている様々な社会的な問題を解決するカギになるのではないだろうか? 被災地だけでなく、女性や高齢者、若者といった可能性がありつつ活用されていない人材をより有効に活かし、よりよい社会を作るツールになるのではないか?

この可能性を探るために、まずは「女性」の視点で「テレワーク」を研究してみようとしたのが、本分科会の当初の目的であった。タイトルに「次世代」とつけたのは、「今までのテレワークのとらえ方を変えてみたい」と考えてのことである。

分科会を作るにあたって、もうひとつ重視したのが、「普通の人のリアルな感覚」を大事にしようということであった。テレワークというテーマは、技術面を含め様々な専門家が長年取り組んできている。ここをいくら深めても、見える未来はその延長線上でしかない。むしろ、これまでなかった新しい視点を持ち込むことが、社会の中で活かされるテレワークのあり方を見つけることに繋がるのではないかと考えたのである。そこで、分科会メンバーは、「女性」であれば、年齢や役職、専門を問わないこととし、運営は限りなくフラットに行うこととした。

様々な有識者を招いて勉強しながら、参加者がワークショップや意見交換を行うことで、それぞれのリアルな感覚を基に、テレワークの可能性と現実とのギャップのあぶり出しを行うという作業を繰り返していった。

この作業を数回繰り返した結果、メンバーが発見したことは、「テレワークは単なる技術や手法でもなく、ゴールでもなく、それぞれが目指す働き方を実現するツールである」ということであった。「重要なのは、技術ではなく、環境づくり」だと考えるようになってきたのである。

今回、プラチナ社会研究会サイトで、本分科会についてご紹介させていただくこととなった。本コラムでは、これから複数回にわたって、国の政策や企業の動きについて紹介しつつ、本分科会で生まれた「テレワークがあることで生まれるワークスタイル」の考え方について、ご報告していきたい。

   写真:第1回分科会(2012年8月2日開催)の風景

株式会社三菱総合研究所理事長 小宮山宏

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