プラチナ社会研究会 新産業は、人が輝く暮らしから

新産業創造を阻む壁 その2 「多忙型先送り」

 

科学技術部門統括室 主任研究員 松田智生

新規事業に関わるプロジェクトのメンバーは、毎日遅くまで頑張っているが、実質的にプロジェクトは動かないという現象がある。

よく見てみると彼らは皆一様に多忙ではあるが、資料を上司に提出しただけで終わっていたり、また、その上司もいつも多忙なのだが、何か決断をして自ら動くことや、積極的に他者を動かすことをせずに、再度部下に指示を与えるだけで終わっていることがある。

ひどいケースになると、資料の本質的ではない細部にこだわり、資料の再提出を命じたり、また関係者を集めて会議を開いて、会議を「仕切った」という事実で満足していることもある。

本来は、関係者をいかに巻き込んで、プロジェクトを前向きに進めていくことが重要なのだが、忙しいという状況で自己を正当化したり、精緻な資料を作ったりという自己満足感のみで止まっていることが、よく見られる。

「本質的な問題は解決せずに、表面的な議論しかされず、忙しさのなかで、真の問題が先送りされる」、これが「多忙型先送り」の典型的なパターンだ。

新産業創造において、計画が作られても実行されなければ意味がない。何かを計画したら、次は何か具体的に動かすことであり、そこで修正すべき点と一層伸ばす点を明確にして、次の計画と行動につなげることだ。

図 多忙型先送りの組織と健全な組織

多忙型先送りの組織と健全な組織

株式会社三菱総合研究所理事長 小宮山宏

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