科学技術部門統括室 主任研究員 松田智生
新産業の創造や育成については、これまでナショナル・プロジェクトなどの政策的な支援を受けたり、企業の最も重要な新規事業プロジェクトとして取り組まれてきた。
そこでは、当時の先端の研究成果が活用されたり、海外から先端の事業化手法が数多く導入されてきた。
しかし、そうした懸命の取り組みや努力ににもかかわらず、失敗に終わった事例は少なくない。
なぜ失敗に終わったのだろうか?
その理由には、政策的支援や最先端の研究成果や事業化手法では簡単に進まない「日本特有の事情」が大きな壁となって存在しているのではないだろうか?
ここでは、新産業創造を阻む壁として、日本に特有な事情はどういったものがあるかを考えてみたい。
なかでも、最近経験した典型的な事例として、
を挙げてみる。
この壁をいかに打ち破るかが、新産業創造の鍵と考える。
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