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米国の大学連携型リタイアメント・コミュニティ~ケンダル・アット・ハノーバー訪問レポート~

 

掲載

三菱総合研究所「所報」No.55(2012年3月11日発行)
 http://www.mri.co.jp/NEWS/magazine/journal/55/__icsFiles/afieldfile/2012/03/19/jm12031116.pdf

執筆者

松田 智生

要約

リタイアメント・コミュニティとは、米国において高齢者が定年後の生活を安心して満喫できるように1960年代から始まった街づくりである。温暖な地域でゴルフやレクリエーション中心の運営で成功を収めてきたが、その発展に伴い、知的刺激の少なさと若者不在という課題が出てきた。

最近の傾向は、高齢者が生涯学習を通じて知的刺激や生きがいを得られる大学連携型コミュニティの台頭である。コミュニティはゴルフ場の近くではなく、大学の近くに設置され、高齢者が再びキャンパスライフを満喫し、学びを通じた他人とのつながりや世代間交流のなかで誰かのために役立つ実感を得られる環境になっている。

筆者が訪問したコミュニティの平均年齢は、米国の平均寿命79歳を大きく上回る84歳であり、寝たきりは2割にしか過ぎず8割が健康に暮らしている。さらに、人口1万1千人の小さな街で約300人の雇用を創出している。

ここでは、高齢者の活力ある暮らしだけではなく、世代間の交流、大学の社会貢献、自治体の雇用増加、企業の事業機会が生まれ、住民・大学・自治体・企業の四者一両得をもたらしている。

本稿では、筆者が2010年9月に訪問したダートマス大学近隣のリタイアメント・コミュニティのケンダル・アット・ハノーバーの事例を紹介する。

ここに居住するアクティブシニアのライフスタイルや、事業としての成功要因は、高齢化問題に直面する日本への示唆となり得る。

株式会社三菱総合研究所理事長 小宮山宏

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