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戦略資源のリサイクルと産業化

 
環境 2012年9月26日

戦略資源のリサイクルと産業化

基本コンセプト

  • 戦略資源(将来、価格と量の安定確保が懸念される産業上不可欠な資源)の循環システムを官民で整備
  • 戦略資源を含有する商品の情報管理を促進することでリサイクルを動機付け、実効性を高める(官)
  • リサイクルポイント付与を検討(官民)
  • 回収と一次処理は分散処理体制(全国で100箇所程度)
  • 処理した資源の買取、備蓄、販売、先物取引を行う戦略資源備蓄センターを設置

背景

  • 過去、日本は製造業に必要な原料を安価に安定的に調達することができたが、将来はその保障はない。需要の急増により価格が高騰するだけでなく、資源国が自国産業の拡大に伴い、資源囲い込みに動く可能性がある。
  • 低炭素社会で需要が急増するバッテリー、モーター、太陽光パネルの製造には、特定の貴金属、レアメタルが必要となる。そうした資源は南米や中国等に偏在しており、資源の囲い込みが行われると日本の製造業は死活問題。
  • 長期的に持続可能な解決策は、資源循環システムを確立することである。課題となるのは、バージン資源価格の変動、新技術による代替の可能性等、不確実性が高い中で、資源循環システムを経済的にいかに安定的に維持するのかという点。

構想の提案

リサイクルの実効性の向上のための制度

リサイクルルートに乗せるため、戦略資源を含む商品には、含有情報の流通・管理を義務付ける。含有量計測のための仕組みを用意する。また、リサイクルした人に対して、リサイクルポイント付与する。

回収コストと投入エネルギーの最小化

リサイクルのための追加費用やエネルギー消費を最小限とするため、郵便やコンビニなどの既存のロジスティックネットを活用した回収の仕組みを整備する。 (例)回収事業者に、無料で回収させる代わりに、一次処理事業を独占的に許可する。

一次処理センター

一次処理はロジスティック効率を考え、発生地域で分散処理する。(人口100万人に1箇所:全国に100箇所程度)の処理センターを想定。地域産業と雇用を創出する。

戦略資源備蓄センター

一次処理した資源の買取り、備蓄、販売、先物取引を行う。安定した買い取り価格を設定することで、一次処理センターの安定的な経営を担保する。ただし、買い取り価格は、一次処理センターの経営努力を促すよう設定する。(例)平均コスト+適正利益 将来的にはかなりの価格上昇が見込まれる資源を対象としているため、長期的には事業採算性が取れる可能性が高い。しかし、当面は、買取り価格がバージン資源の価格を上回る可能性がある。その場合、買取り資源は主に備蓄に回すことになるため、資金の手当てが必要である。将来の資源確保と価格の上昇のリスクヘッジの対価として産業界が負担する。また、一部公的資金による補助も検討する。

 

リマニファクチャリング産業の創出に向けた戦略資源備蓄センター構想

株式会社三菱総合研究所理事長 小宮山宏

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