企業向けのアンケート調査について、主要な設問に対する回答は以下の通りです。
◆「在宅勤務」「社内会議のオンライン」「出張の抑制」「消毒薬の設置」「時差出勤」の5点を実施する企業が多い。
問 あなたの所属組織では政府の緊急事態宣言下において、新型コロナウイルス対策としてどのような対応策を実施しましたか。(いくつでも)
回答企業の7割以上が、新型コロナウイルス対策として政府の緊急事態宣言下に「在宅勤務・リモートワークの許可・奨励」「社内会議のオンライン導入(eラーニング、オンライン講義など)」「緊急性の低い国内外の出張の中止・延期」「職場における消毒薬の設置」「時差出勤・フレックスの許可・奨励」の5点を実施。
◆在宅勤務では「体調」「印刷」「自宅の仕事環境」「時間のメリハリ」に問題がある。
問 在宅勤務を行った方にお聞きします。何か問題はありましたか。(いくつでも)
在宅勤務時に生じた問題としては、「外出できないため、運動不足になる、体調が乱れがち」(55%)「作成中の資料の印刷ができない」(47%)「長時間の勤務に対応した椅子や机、大きなPCモニターなどが自宅に備わっていない」(45%)「書類の押印や原本作成等の商慣習に対応して、出社する必要がある」(42%)「仕事と家庭の時間のメリハリをつけにくい」(40%)という点が挙げられている。
◆「押印手続き」や「ITインフラ」に加え、「人事制度」や「マネジメント」の見直しも重視。
問 パンデミック下でも事業活動を円滑に実施する上で、今後、会社あるいは業界レベルで取り組むべき重要なことは何ですか。(3つ以内)
今後、会社あるいは業界レベルで取り組むべき事項としては、「押印・捺印手続きの不要化・電子印鑑の利用など」(51%)「リモートワークを担保する人事制度の整備(労務管理等)」(41%)「管理重視のマネジメントから、社員の自主性を尊重したマネジメントへの転換」(39%)「リモートワークに対応する自社のITインフラの整備」(38%)が挙げられている。
◆「業務プロセス」「人材育成」「ビジネスモデル」「組織のあり方」の改革が求められている。
問 新型コロナウイルスの感染拡大がいずれ収束し、一段落する時期が到来するとしても、経済活動など世界全体がつながるようになった今日、いつ再び、パンデミックが発生してもおかしくありません。そのため、「レジリエンス」(resilience:復元力、回復力)の高い組織づくりが重要と考えられます。今後どのような取り組みが重要になると思いますか。(いくつでも)
「レジリエンス」の高い組織づくりのために重要なこととしては、「既存業務のデジタル化の推進」(84%)、「オンラインを前提とした社内人材育成・教育の仕組みづくり」(63%)、「オンライン取引を前提としたビジネスモデルへの転換」(60%)、「フラットな組織づくり(意思決定のスピード化とマネジメントの簡素化)」(54%)が挙げられている。
Copyright © 2009-2021 Mitsubishi Research Institute, Inc.